鬼カサゴ毒針事件 鬼カサゴの味の良さに、この魚を追い求める釣り人は多くいます。
当然のごとく釣り人たちは背ビレや胸ビレに毒針があることを知っています。しかし、この毒針に刺された人は少なく、私もその恐ろしさを知りません。
ある日、私の横で釣っていた知人が、大きく竿を曲げ1k近い鬼カサゴを釣り上げました。知人は自慢げに見せびらかしていました。ところが釣り針が鬼カサゴの唇に僅かに引っかかっている状態だったのか、オニカサゴが針から外れ落ちてしまいました。
落ちた所は舟の中で良かったのですが、なぜか知人は大きな悲鳴を上げました。鬼カサゴの背中が知人の長靴の上に乗っていました。
驚くべきことに鬼カサゴの背中の毒針は、長靴を貫いて知人の足に刺さっているではありませんか、他人事ながら背筋が凍りつきました。
その後知人は、トドのように巨体を揺すって、うめき声を立てていました。
船から下りると病院へ直行となりました。
くれぐれも鬼カサゴの毒針には気をつけましょう。
イカの吸盤事件釣りたてのイカの刺身は、水晶のように透明で軟らかく、釣り人冥利に尽きる美味しさです。
その日は昼飯時になっても数匹のスルメイカしか釣れていませんでした。
知人は昼飯のおかずにイカ刺しをと考えたのですが、釣れていないためにハサミで何本かの足を切り落とし、美味しそうに食べていました。
私も真似をしようとイカの足を切っていたところ、隣で断末魔のように知人がもがき苦しんでいました。口の中に手を突っ込んで、目を白黒させ何か必死で掴もうとしています。
大騒ぎの後、暫くしてから知人は私に「死ぬところだった」と大げさに言いました。
泳いでいるイカの足を切り落としために、あまりにも元気の良い足は、喉チンコのあたりに思いっきり吸い付いたのでした。
イカの吸盤は石灰質のリングがあるために、喉のような軟らかい部分には食い込んだら少々引っ張った位では離れないため、窒息死寸前だったそうです。
スルメイカの足の踊り食いは、良くかんで動きを止めてから飲み込みましょう。
フグのクチバシ事件サバフグは毒がなく安心して食べられるが、美味くない。
秋になると水面近くを大群で移動し、あの鋭いクチバシで道糸の1m毎の白い個所をプツンと切ってしまう。新素材の道糸はハサミでもプツンとは切れないのに、あのクチバシ状の歯の切れ味は凄い。しかし、釣り人にとっては、天秤とコマセ籠と数十mの道糸を無くするとんでもない野郎だ。
サバフグが来た時は、危ないと思って遮二無二リールを巻くと、ますます道糸の目印が目立って攻撃される。2回も仕掛けを切られると、頭に来て釣りにならない。
このサバフグが釣れた時は、首から身の半分まで包丁を入れ、手でそこを折るようにして皮と内臓を一緒に取る。メゴチの処理と同じ要領である。
隣の知人は船べりで、この作業をしていたが、普通は身のほうを手で掴んで包丁を入れるのであるが、頭の方を掴んで包丁を入れようとしていた。
船が揺れたとき「ア」と言う悲鳴があがり、友人の親指と人差し指の間の水掻き状の部分にフグが食いついて、大量に出血し止まらなりました。そのため船長は港に引き返し、友人は病院送りになりました。
ヌルヌルした魚体を揺れる船体の船べりで、頭を掴んで処理をしたことがこんな事故となりました。
フグのクチバシは危ないですから気をつけましょう。それとフグの頭は掴まないように!
ミヨシ釣り人骨折事件久里浜のカワハギで有名な釣宿に行った時の事です。
その日は風の強い日でしたが、剣崎沖で釣れているという事なので、遠出をしました。剣崎沖は北風に対して風裏となるため、波もなく快適にカワハギ釣を楽しみました。帰る時間となり、船は剣崎沖から東京湾口にさしかかった時です。あれほど雄弁な船長が、いきなり真剣な顔になった。大きな三角波が船腹に次々と押し寄せて、船は木葉のように揺れ始めました。やっとのことで船は直角に曲がることが出来ました。
その瞬間、ミヨシ(舳先)が大波で大きく持上ました。大げさに言えば船が垂直に立ちあがった様な情況でした。ミヨシにいた数名の釣友は、必死で振り落とされないように、船にしがみ付いていました。
次の瞬間、ミヨシは一挙に落下しました。「いたい」大きな悲鳴が上がりました。一人は手首を骨折、他の人達は尾底骨をしたたか打っていました。竿も何本か折れ、大変な事になりました。
しかし、トモ(船尾)にいた人は、何ともありませんでした。
海の荒れた時は、ミヨシには絶対行かないように、トモに避難しましょう。
後日、骨折をしたことを話しても、船宿からは謝りはおろか、何の連絡も有りませんでした。20年くらい利用してきたこの船宿に、あの事件以来行くことは有りません。
子供の身代わり事件
2002.4.16子供が4歳頃の話です。
横浜港にある大黒埠頭という建設中の埋立地の先端で、私達親子と数人の釣り人が夜釣をしていました。
この堤防の先端は潮通しが良く、水面から1.5mくらいの高さがあり、夜釣で大きなメバルが釣れる穴場でした。その日は風も波もなく静かな夜でした。近くを大きな船が通った訳でもないのに、突然大きな音がして波が押し寄せて来ました。アッという間のことで子供を抱き上げた時は、波は膝の所まで達っしていました。川のように流れて来た大波に、もし子供を抱き上げる事が出来なかったときは、多分暗闇の海に子供はさらわれて行った事でしょう。
大事にしていた1.6kの黒鯛を釣り上げた手製のヘチ竿も、穴開リールも、道具の入ったリックも、全て暗闇に消え去りました。子供の身代わりとなって。
なぜ内湾の静かな横浜港の中で、突然2m以上の高波が押し寄せるのでしょう。近くを大型船が通れば誰かが気付く筈です。私の想像では上流から来た波と下流から来た波が、丁度私達の前当たりでぶつかり合い水面が異常に上昇したのではないかと想像します。津波って事はないと思いますが、本当の原因は何なのでしょうか。
突然の大波は時折聞く話です。特に足場の悪い場所での夜釣は非常に危険です。気を付けましょう。